胆嚢・胆嚢ポリープとは?
胆嚢とは、肝臓で作られる胆汁を一時的に貯めておく袋状の器官です。
そして胆嚢ポリープとは、胆嚢の内壁に発生する隆起のことを指します。ほとんどのポリープは良性ですが、中には悪性のもの(胆嚢がん)、がんの前段階のものも存在します。
胆嚢ポリープは
無症状のことが多い!?
ほとんどの胆嚢ポリープは無症状です。
しかし、ポリープが悪性であり進行した場合には、以下のような症状が出現します。
- 黄疸
- 倦怠感
- 発熱 など
胆嚢ポリープの原因は?
胆嚢ポリープの原因は、未だはっきりしたことが解明されていません。
しかし、肥満、脂質代謝異常、耐糖能異常(糖尿病予備軍)、胆のう炎などがリスク要因となるものと考えられています。
また子どもの場合は、異染性白質ジストロフィー、ポイツジェガース症候群といった疾患が発症に影響していると言われています。
胆嚢ポリープの種類
胆嚢ポリープは、大きく以下の5種類に分類できます。
コレステロールポリープ
胆嚢ポリープの約9割をこのコレステロールポリープが占めます。いわゆる良性のポリープです。
多くは、数ミリ程度までしか大きくなりません。
腺腫性ポリープ
基本的には良性です。ただ、胆嚢がんの発生源になる可能性が指摘されています。
過形成ポリープ
胆嚢の粘膜表面の上皮が、過剰に増殖して発生するポリープです。
炎症性ポリープ
胆のう炎などに合併する、炎症によって細胞が増殖して生じる良性のポリープです。
胆嚢がん
ポリープの段階で発見できれば、適切な治療により根治に至る可能性が高くなります。
胆嚢ポリープの検査と診断
症状や既往歴、服用中のお薬などについてお伺いした上で、腹部超音波検査を行い、診断します。ポリープの大きさ、数、形などまで分かります。
ポリープの性状や大きさによっては、MRI検査、超音波内視鏡検査が必要になることもあります。
胆嚢ポリープの治療
ポリープの大きさが10ミリ未満であり、悪性の可能性が少ない場合には、経過観察にとどめます。
しかし、ポリープの大きさが10ミリ以上の場合や悪性の可能性が高い場合には、治療が必要です。治療では、手術が行われます。